きみをこわすのは




 オレはボロボロボロボロとなみだをこぼしながらもそれをとめるほうほうもいみもわからなくって、ただただなみだをながす、めのまえのキミはわらっていたけどだいすきなこのえがおがいまはたまらなくにくたらしい。
「もしおれがさぁ」
 えんどうがそらをみあげながらつぶやいた。
「もしおれがこのよからいなくなったらさ」
 なみだがなみだが、とまらない、えんどうやめて、そんなかなしいこといわないでくれよ。
 オレのひだりめをおおうかみのけが、なみだではりついてきもちわるかった。
「おれがいなくなってもみんな、おれのことわすれないでいてくれるかな」
 ひっく、あっ、ひっ、うぅっ。
 おえつでじょうげするオレのふたつのかたに、えんどうはやさしく、あついてのひらをおいた。
「ないてくれて、その、ありがとな」
 えんどうはまたわらった。なんでだよ、なんでなかないんだ。オレがばかみたいだ。オレはおまえのことぜったいにぜったいにわすれない。いやもう、いっそのこと、おまえがきえるならオレもいっしょにいってやるから。
 だから、
「みんな、えん、えんどうのこと、だっ、だいすきだ、から、」
 わらわないでくれよ、くるしそうにわらわないでくれ。いっそオレとないてくれ、オレのむねはたよりないかもしれないけれど。
 オレのなさけないなきごえだけがいつまでもひびいた。えんどうはなにもいわなかった。