キャラメル、チョコレート、




 大変なことが起こったッス…
 なんとこのイナズマキャラバンに、エイリア学園が乗ってるんスよ!
 誰かと言うとこれがまた困ったことに、イプシロンのマキュアさんなんッス。
 前に京都で遭遇したレーゼのように記憶喪失しているワケでも、反省してしおらしくなっているワケでもなく…正に三つ子の魂百まで!って感じッス(地球にはこんな言葉があるッス!)(あれ、使い方少し違うッスか?)

「マキュア、あのゆーえんちのキャラメルポップコーン食べたい!」

 ああ、ナニワランドのアレッスね。オレは前食べたッス。フフン、羨ましいッスか?

「違うの〜!ガイアブレイクはもっとこうやってね…」

 え!吹雪さんたちとガイアブレイク練習してるッス!

 …ちょっと羨ましいッス、宇宙人の技を練習できて。

「ねえ〜」

 マキュアさんの声はよく通るッスねえ。

「ねえったらぁ」

 今日は誰にちょっかい出してるッスか。

「ちょっと!」

「あっ!ハ、ハイッス!!」
 え!オレッスか?!後ろから肩を掴まれて、思わずのけぞっちゃったッス。
「それなぁに」
 そう言ってマキュアさんが指差したのは、オレのお菓子ッス。最近の新商品、ビターチョコのほろ苦さが画期的ッス。

「た…、食べるッスか」
 普段は人に食べ物なんてあげないッスけど、何故か聞いてしまったッス…マキュアさんが怖いからッスかねぇ。
「やったぁ!」
 パッと笑ったかと思うと、お菓子を口にした瞬間マキュアさんはおもいっきり顔を歪ませたッス。
「苦ぁい。マキュア苦いの嫌い…」
 あ、これは嫌い、なんスね。初耳ッス。
 マキュアさんは好き嫌いをハッキリ口にするから、なんとなく覚えちゃうッス。

 えっとじゃあ、
「こっち…甘いッスけど…、食べるッスか?」
「食べる!マキュア甘いのって大好き」
 にこり、笑いかけられてちょっぴりドキっとしたッス…怖いけど、かわいいな、って…この所ちょっぴり思うんス。
「ありがとーカベヤマ」
「は、はいッス」
 うわわ、名前呼ばれちゃったッス!て、照れるッスねぇ…。

 もぐもぐと口を動かすマキュアさん、ほっぺたを膨らませて美味しそうに食べてる様子は…やっぱりちょっとかわいいッス。
 もちろん!もちろん本人には言わないッスよ!
 …またこの笑顔を見るために、とっときのゴディバをあげるのもいいかもなあ…なんて思ってることも、内緒ッス。